本を通じて対話を深め、気持ちをシェアする場。Talk with _ 選書会レポート

2024.6.23

Talk with _ では、オンラインや対面で「選書会」をおこなっています。選書会とは、テーマに沿って本を紹介しあう集まりのこと。ここで紹介された本たちは、手に取る人が休むきっかけや話すきっかけとなるよう、Talk with _ の店内の本棚に並べられています。

2024年2月13日(火)、book pick orchestraの川上洋平さんを講師にお迎えして開催されました。夜の部に集まったのは6名の参加者です。

Talk with _ ライティングパートナーのひかるが、当日の模様をレポートします。

本を通じて対話をする場

「選書会ってどんな話をしたらいいんだろう?自分の読んでる本を紹介するって、なんだか恥ずかしい気もする……」と実は直前まで参加に悩んでいた私。

川上さんは「読書感想文のように、まともなことを言わなきゃというイメージがあるかもしれませんが、本をきっかけにしてみなさんとお話できたらいいなと思っています」と一言。

なるほど、本を通じておしゃべりをすればいいのか!とひと安心したところで、選書会がスタートしました。

この日の本のテーマは「すーっと、かろやか」。トークの内容は、次のとおりです。

・自己紹介(出身地・好きな食べもの)
・本と出会ったきっかけ
・本の内容や印象的だったこと

川上さんの進行に沿い、一人ひとりにお話を伺っていくかたちで対話が進みました。

本との出会いは、人とのつながりや人生に悩んだとき

選書会というと、読書好きや本に詳しい人が集まる場というイメージもありましたが、参加者のなかには「普段まったく本を読まないけれど、この本だから読もうと思った」という方も。

みなさんのお話を聴いてみると、本との出会いは6者6様。かかりつけの漢方医や出版社の人など、“人”との出会いがきっかけだというお話や、仕事で考えごとをしていたときや求職中に悩んでいたときなど、人生の必要なタイミングで出会ったというお話もありました。

今回、紹介された本のラインナップはこちら。

・『ゆる薬膳。』(池田陽子 著 日本文芸社 2012)
・『なるべく働きたくない人のお金の話』
 (大原扁理 著 百万年書房 2018)
・『私らしく、のびのびと。「やめる」ことを「やってみた」』
 (多田千里 著 主婦の友社 2022) 
・『いちからはじめる』
 (松浦弥太郎 著 小学館 2021)
・『限りある時間の使い方』
 (オリバー・バークマン 著 高橋璃子 訳 かんき出版 2022)
・『新版 呼吸の本』
 (加藤俊朗・谷川俊太郎 著 フォレスト出版 2021)

自分のなかに、あたらしい価値観や変化が生まれる

みなさんが本を紹介してくださる言葉のなかには、

「自分の弱いところを変えなきゃと思って、体調を崩して休んでしまうこともあって。そういうときに自分と向き合う時間ができて、『自分を変えなくてもいいや』という気持ちにさせてくれた本です」

「食事に気を配る、お腹の調子を良くするなど、健康面から『すーっと、かろやか』になることを教えてくれました」

「週休2日制が当たり前だと思って働いているなかで、自分に本当に必要な収入で好きなように生活している人もいる。人の生活ってそれぞれでいいんだなと思えました」

などなど、自分の心や身体、生活と向き合い、あたらしい価値観と出会ったという声がありました。

本の内容を紹介しあうだけではなく、本によって生まれる変化や経験もシェアする時間。選書会を通じて、「この本、読んでみよう!」と思えば、またあたらしい出会いにつながると感じた夜でした。

参加者のみなさま、ファシリテーターの川上さん、貴重なお時間をありがとうございました!

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次回の選書会は、2024年7月6日 (土) 17:30〜19:00を予定しています。

下記リンクからお申し込みください。
おすすめの本を紹介しあおう。「働く」「休む」の選書会 #4 | Peatix

やふそ ひかる

就労支援や発達障がいのあるお子さんのサポートなど、福祉の現場でかれこれ10年くらい働いています。働くこと、休むこと、生きることって、言葉にできないことばかり。でもなんとか言葉にして、そのむずかしさや尊さをわかちあえたらいいなと思います。